わたしたちは、新しい「ホーム」を探さなければいけない。
従来の社会をつくり上げていたシステムやコミュニティも機能不全を起こしていて、この世界はますます生きづらくなっているからだ。わたしたちは「ホーム」を見失いつつある。かつては「家」こそが「ホーム」だったが、果たしていまあなたの住む「家」はあなたの「ホーム」だろうか。わたしたちの「ホーム」はいまどこにあるのだろうか。
一方で、テクノロジーの進歩や働き方・暮らし方の変化によって「家」の機能はあちこちに分散しつつある。ひとつの家だけに住む必要はないし、好きなときに好きな場所で寝泊まりできる日も近いかもしれない。ならば、それに合わせて「ホーム」もアップデートされねばならない。家が分散し遍在する、「ホームフル」の時代に合わせた新しいホームが必要なのだ。
平成が終わりオリンピックを控えた2019年。都市の風景は様変わりし、わたしたちとホームをめぐる状況もさらに変化してゆくことだろう。だからこそわたしたちはホームについて考え直し、暮らし方を再発明する必要がある。わたしたちがみずからの居場所を見つけ出し、みずからのやり方で心地よく生きていくために。
わたしたちは、新しい「ホーム」を探さなければいけない。
それは新しい「希望」を探すことでもあるのだから。
HOMEFUL展では、編集者であるもてスリムが軸となり、「ホーム」をテーマに、#1 HOMELESSON、#2 HOMENESS、#3 HOME PARTYと3回にわたり展示を実施いたします。
また、#2 HOMENESSEではレトリカ(Rhetorica)、#3 HOME PARTYではロロ(LOLO)をフィーチャリングし、展示やイベントを実施いたします。
「THE EXHIBITION OF HOMEFUL −NEW HOME, NEW HOPE−」
- 会期
- 2019年6月29日(土)〜7月18日(木)
<#1 HOMELESSON> - 2019年7月20日(土)〜8月8日(木)
<#2 HOMENESS>
featuring Rhetorica - 2019年8月10日(土)〜9月1日(日)
<#3 HOME PARTY>
featuring LOLO
もてスリム|MOTESLIM
1989年東京生まれ。編集者。おとめ座。
連載「ホームフル・ドリフティング」
http://to-ti.in/story/homeful1
レトリカ|Rhetorica
思想/建築/デザインを架橋しながら批評活動を展開するメディア・プロジェクト。2012年の発足以来、完全自主出版のインディペンデント・マガジン『Rhetorica』、『RhetoricaJournal』、「Rhetorica.jp」の発行/運営を行う。所属メンバーは、慶應義塾大学アート・センターと共同実施の「都市のカルチュラル・ナラティヴ」プロジェクト、Maltine Records海外公演の支援、島根県津和野町における高校生向け下宿の運営など、多岐に渡る活動を行う。
http://rhetorica.jp
ロロ|LOLO
劇作家・演出家の三浦直之が主宰を務める劇団。2009年結成。古今東西のポップカルチャーをサンプリングしながら既存の関係性から外れた異質な存在のボーイ・ミーツ・ガール=出会いを描き続ける作品が老若男女から支持されている。15年に始まった『いつ高』シリーズでは高校演劇活性化のための作品制作を行うなど、演劇の射程を広げるべく活動中。主な作品として『LOVE02』(12年)、『ハンサムな大悟』(15年)、『BGM』(17年)など。『ハンサムな大悟』は第60回岸田國士戯曲賞最終候補ノミネート。
http://loloweb.jp/
ツドイ|tsudoi
ツドイは「編集とイベント」を中核事業とする企画集団です。Webメディア、広告キャンペーン、展覧会、トークセッションなど、編集/イベントの技術とアイデアで種々の問題をごきげんに解決します。なお社名は、編集の「集」と、イベントをあらわす「集い」から取ったものです。
http://tsu-doi.jp/
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東京カルチャーリサーチとは
絶え間なく変化する東京のカルチャーシーンを発見・研究し、その紹介をする小展示スペースです。東京が生み出すカルチャーの中でも、特にマンガ、ゲーム、アニメ、メディアアート等を深く掘り下げ、「東京シティビュー」としての独自リサーチとセレクションに基づき「東京の文化的特異点」を感じる作品を不定期で展示していきます。
- 主催
- 東京カルチャーリサーチ
- 企画
- 株式会社ツドイ、もてスリム